雇用

退職申出後に支給される賞与の減額について

Aさんの現在勤務している会社の規定では、計算上Aさんの6月中旬に支給される夏の賞与の金額は50万円となります。
しかし、Aさんは6月一杯で今の会社を退職するつもりでしたので、会社にも5月の末には申し出ていました。
Aさんは6月の賞与でテント泊用の装備一式をそろえるつもりだったのですが、蓋を開けてみると40万円しか夏の賞与が支給されませんでした。
これでは、かねてから目をつけていた軽量のテントとシュラフ等のテント泊装備一式を買うことは出来ません。
計算違いと思い会社の人事担当に問い合わせると、「退職する予定なのだから減らしたよ。」とのことでした。
Aさんはどう考えるべきなのでしょうか?

“賃金”については労働契約上会社に支給の義務がありますが、賞与は法律上の“賃金”に該当するのでしょうか。
賞与についても労働協約、就業規則、労働契約等で支給時期、金額、算定方法等が定められているような場合、賃金に該当すると考えられます。

それでは、賞与も毎月支給される“給与”と同様に確定的な金額が支給されるものなのでしょうか。
賞与には過去の実績に対する功労褒賞的な部分と、過去の賃金とは無関係な純粋に将来に対する期待部分を含むものと考えられております。
したがって、退職予定者に対し不当に賞与の減額をすることは許されませんが、将来の期待部分については減額して支給することも合理性があることとなります。
Aさんの場合20%が減額されているのですが、この程度の割合であれば将来の期待部分とも考えられそうです。

したがって、Aさんも予定より10万円少ない賞与の範囲内でやりくりしてお手頃なテント、シュラフ等を神保町界隈で探して揃えることとなりそうです。

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